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2015年10月22日更新 欠陥住宅コラム

欠陥原因を特定するためにすべきこと

ヒビや雨漏り等の不具合を見つけると、不安になることがあります。
しかし、それは建物の欠陥によるものなのか単なる経年劣化等なのか、建物の欠陥によるものだとしてもそれがどのような内容の欠陥なのか、どのように考えるべきでしょうか。

1 ヒビがあれば、欠陥??(欠陥現象と欠陥原因)
例えば、住んでいるマンションにヒビが見つかったとしても、それが直ちに欠陥に当たるわけではありません。
また、ヒビを埋めてしまえば問題が解決する、というわけでもありません。
ヒビそれ自体は「欠陥現象」と呼ばれる表面的な不具合に過ぎず、それだけを見ても欠陥に当たるかどうか、どういう補修方法をとればいいのかを判断することはできないのです。
重要なのは、そうした欠陥現象を生じさせている根本的な原因である「欠陥原因」を突き止めることです。
「欠陥原因」が特定されて初めて、そのヒビが欠陥に当たるかどうか、どういう補修方法をとれば問題が解決できるのかが確定できるのです。
2 欠陥原因の特定方法
では、どのようにして「欠陥原因」を特定すればよいのでしょうか。
この点、建物の欠陥原因の特定には、建築に関する専門的な知識が必要です。
例えば、雑壁のヒビ割れ(「欠陥現象」)が見つかった場合、ヒビの入り具合(方向)や大きさ、発生時期などを総合的に見て、欠陥ではない通常の収縮クラックなのかどうか、どこに原因があるのかの見当をつけて、本格調査を行い、その結果、ようやく欠陥原因を突き止めることができるのです。
したがって、専門的な知識がない方の自己判断はお勧めできませんし、素人判断では重大な構造上の問題を見落とす危険があります。
気になる点があれば、まずは写真などを撮って証拠に残した上で、第三者の建築士(※当該建物の設計や監理に関わっていない建築士)に相談することをお勧めします。
また、建築士といっても、専門分野は様々ですので、欠陥住宅問題に詳しい建築士に頼むことが必須です。
3 マンションの欠陥原因を特定する際の留意点
(1) 管理組合として対応する
マンションの場合、例えば、自分の部屋の壁に現れたヒビ(欠陥現象)が、お隣さん等他の居室でも現れているのかどうかを確認することは困難です。
とはいえ、1棟の建物である以上、自分の部屋に現れた欠陥現象が、同じマンションの他の居室でも生じている可能性は否定できません。
したがって、そういった場合には、管理組合に働きかけて、管理組合で建物全体の欠陥現象に関する情報を集約した上で、建築士や弁護士といった外部の専門家に相談することが重要です。
特に、マンション特有の問題として、共用部分の管理は管理組合の決議に基づいて管理しなければならないという問題があります。そのため、区分所有者が単独で動いても限界がありますので、まずは管理組合に働きかけて、管理組合として対応してもらうことが必要になるのです。
(2) 外部の専門家に相談する
管理組合の中には、欠陥現象を発見した際、管理会社や分譲会社に苦情を言って調査を要求するといった対応をされるところもあるようですが、あまり詳細な調査をしてもらえず、欠陥原因の特定に至らないまま、表面的な欠陥現象だけを補修して終わり、というケースも多いようです。
そうした中途半端な解決にならないためにも、分譲会社や管理会社ではなく、外部の専門家に調査依頼することが重要と言えます。
4 まとめ
以上のように、ヒビや雨漏り等、欠陥現象を発見した場合には、1・写真を撮る等して証拠に残すこと、2・素人判断せずに第三者的な専門家に相談すること、3・マンションの場合は管理組合で対応すること、の3点が重要です。

なお、欠陥住宅ふくおかネットでは、ご相談をご希望の方に、ご相談内容に応じて、欠陥住宅問題に詳しい建築士や弁護士をご紹介しております。
また、ご依頼いただければ、欠陥原因を特定するための調査等も行います。
具体的なご相談の手順につきましては、当ホームページの「ご相談の手順」欄に記載しておりますので、お気軽にご相談下さい。
以上